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  • 執筆者の写真あけみ

鈴木すぐる  子供の日

花は葉に「誓の桜」影を濃く

コロナ禍の路地に白亜絵子供の日

菖蒲湯のかをり鼻からまなこから

店主敬白コロナにも触る新茶かな

反りぎみに将軍塚碑緑さす

畠なかの白旗塚や若葉雨

大木へ蛇結茨のアーチかな

餌をねだる羽を震はせ烏の子

 角川「俳句」2020年7月号 作品8句

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深見けん二先生の軌跡

東京大学第二工学部冶金学科 燈れる研究室や花の雨 実験衣きて校庭に花惜む 夕焼や学園古りて厳かに 父の道つぎて我立つ夜学かな 鉱山 日曜の鉱山は静かに春の雨 紫に夕焼さめし廃石場かな 日盛りや鉱山の発破に小屋ゆるる 坑内を出て夏川のひびきある 夏山を削りうち建て坑夫小屋

蟷螂のあし繊々と草を踏み 正木ゆう子

角川 月刊俳句 2020年5月号 特別作品50句「草を踏む」より 50句のタイトルにされた句ですから、ご自分でも気に行っていらっしゃるのか。「繊々と」ですから、脚の細さというよりは、脚のしなやかさ、たおやかさに注目された。しかも、踏んでいる草もしなやかで、このしなやかな世界に作者は魅せられていると思いました。細やかな見つめ方をしないとできない句でしょう。 限界俳句7月号 167頁 合評鼎談 山尾玉

癒えて来し夫と見上ぐる朝桜 鈴木征子

鈴木征子 第一句集「朝桜」2017年 ふらんす堂 ・・・平穏で充実したお二人の生活が急変したのは、ご主人すぐるさんの平成に25年末の発病である。・・・その後、手術が成功され、しみじみと今年の桜西行忌と詠み、次の年掲句を詠まれるようになったのである。この句集を「朝桜」とされた征子さんの気持ちは痛いほどよく分かる。 深見けん二 平成29年2月 句集「朝桜」序文より

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